証券口座の乗っ取りは、もはや一部の投資家だけの問題ではありません。
2025年5月1日、著名投資家のテスタさんが、自身の楽天証券の口座が乗っ取り被害に遭ったことをX(旧Twitter)で公表しました。
テスタさんといえば、株式投資で大きな実績を持つ個人投資家として知られ、投資家の間でも高い知名度を誇る人物です。そんな経験豊富な投資家でさえ証券口座の不正アクセス被害に遭ったことは、多くの人に衝撃を与えました。
さらに注目されたのは、テスタさんが二段階認証を利用し、セキュリティソフトによるウイルスチェックも行っていたと説明していた点です。
「二段階認証を設定していれば安心」「セキュリティソフトを入れていれば大丈夫」と考えていた人にとって、決して他人事ではない事例といえるでしょう。
では、テスタさんの楽天証券口座では実際に何が起きたのでしょうか。そして、同じような被害に遭わないためには、何をすればよいのでしょうか。
この記事では、テスタさんの被害事例を時系列で詳しく解説するとともに、証券口座が乗っ取られる仕組み、楽天証券のセキュリティ対策、万が一被害に遭った場合の対処方法まで紹介します。
テスタさんが楽天証券の口座乗っ取り被害を公表
2025年5月1日、個人投資家のテスタさんがXで、楽天証券の口座が乗っ取り被害に遭ったことを公表しました。
テスタさんの投稿によると、朝に身に覚えのない二段階認証の確認メールが届いたことが、異変に気付くきっかけだったといいます。
不審なログインが試みられている可能性を感じ、証券口座の注文履歴を確認したところ、すでに自分が注文した覚えのない取引履歴が見つかったとのことです。
つまり、本人が異常に気付いた時点で、すでに第三者による不正な注文が行われていた可能性があったのです。
テスタさんの被害発覚までの時系列
| タイミング | 起きたこと |
|---|---|
| 2025年4月30日夜以前 | 本人の認識しない注文履歴が発生していたとされる |
| 2025年5月1日朝 | 心当たりのない二段階認証の確認メールを受信 |
| メール確認後 | 楽天証券の注文履歴を確認し、不審な取引を発見 |
| 発覚直後 | ログインパスワードを変更 |
| パスワード変更後 | テスタさんによると、新しい不審な注文は止まった |
| その後 | 楽天証券の窓口に連絡し、口座の一時凍結を依頼 |
この経緯で特に注目したいのが、テスタさんがパスワードを変更している間にも、不正と思われる注文履歴が更新されていたという点です。
不正アクセスが発生している場合、被害者が気付いてから対処するまでの時間が非常に重要になります。
不審な注文を確認したら、通常のログイン確認だけで終わらせず、証券会社への連絡や取引制限などを速やかに行う必要があります。
テスタさんが指摘した二段階認証の問題
今回の事例で大きな話題になったのが、二段階認証に関するテスタさんの指摘です。
テスタさんは、楽天証券の二段階認証について、自身の認識では十分に機能していないのではないかという趣旨の問題提起を行いました。
一方で、テスタさん自身も原因を調査中であることを説明しており、楽天証券の認証システムが技術的に突破されたと確定したわけではありません。
この点は重要です。
二段階認証を設定していたのに不正アクセスが起きたという事実と、二段階認証そのものが無効だったという結論は同じではありません。
例えば、偽サイトに認証情報を入力してしまった場合や、端末にマルウェアが侵入していた場合など、認証機能だけでは防ぎきれない攻撃も存在します。
そのため、今回の事例から学ぶべきなのは、二段階認証だけに依存せず、ログイン方法、端末、メールアカウント、取引通知などを含めた総合的なセキュリティ対策が必要だということです。
ウイルス対策ソフトを利用していても被害に遭った
テスタさんは、二段階認証に加えて、ウイルス対策ソフトを二重に導入し、毎日スキャンしていたものの、問題は発見できなかったと説明しています。
また、ほかの証券会社に登録していたメールアドレスにも変更があったと述べ、情報流出の経路について調査していました。
ただし、本人の公表時点では、どのような経路でログイン情報が取得されたのかは特定されていません。
したがって、「テスタさんはウイルスに感染していた」「楽天証券のシステムから情報が漏れた」と断定することはできません。
ここからは、同様の証券口座乗っ取りで一般的に使われる攻撃手法を解説します。
証券口座はなぜ乗っ取られる?代表的な5つの手口
証券口座の乗っ取りでは、第三者がログインIDやパスワード、取引暗証番号などを不正に取得し、本人になりすまして取引を行うケースがあります。
金融庁も、証券会社を装った偽サイトなどで窃取した顧客情報が、不正アクセスや不正取引に悪用されているとして注意喚起しています。
代表的な手口は次の5つです。
1.フィッシング詐欺によるログイン情報の盗難
証券口座の乗っ取りで特に注意したいのが、フィッシング詐欺です。
フィッシング詐欺とは、実在する企業や金融機関を装ったメール、SMS、偽サイトなどを使い、利用者のIDやパスワードなどを盗み取る犯罪手法です。
例えば、楽天証券を装ったメールに次のような内容が書かれているケースが考えられます。
- 不審なログインを検知しました
- アカウントの利用を一時停止しました
- 本人確認が必要です
- セキュリティ設定を更新してください
- 取引を継続するには再認証が必要です
メールに記載されたリンクをクリックすると、本物そっくりに作られた偽のログイン画面が表示されます。
利用者がそこでログインIDやパスワードを入力すると、その情報が攻撃者に送信されてしまう可能性があります。
見た目が本物のサイトとほとんど変わらない偽サイトもあるため、画面のデザインだけで判断するのは危険です。
対策:メールやSMSのリンクから証券会社にログインしないこと。公式サイトをブックマークし、必ずそこからアクセスしましょう。
2.二段階認証を悪用するリアルタイム型フィッシング
二段階認証を設定していても、攻撃手法によっては突破される可能性があります。
その一例が、リアルタイム型のフィッシングです。
一般的なフィッシング詐欺では、盗み取ったIDやパスワードを後から悪用します。
一方、リアルタイム型の攻撃では、偽サイトを通じて利用者が入力した情報を、その場で本物のサービスに中継する手法が使われることがあります。
例えば、次のような流れです。
- 利用者が偽の証券会社サイトにアクセスする
- ログインIDとパスワードを入力する
- 入力情報が攻撃者側に送信される
- 攻撃者が本物の証券会社サイトにログインを試みる
- 利用者に届いた認証コードなどを偽サイトで入力させる
- 攻撃者が認証を通過する可能性がある
このような攻撃では、利用者が正規の認証手続きを行っているつもりでも、情報が第三者に利用される危険があります。
ただし、これは一般的な攻撃手法の説明であり、テスタさんの被害がこの方法で発生したと確認されたわけではありません。
対策:フィッシング耐性のあるパスキー認証を利用することが有効です。偽サイトに誘導されても、正規のドメインにひも付いた認証情報を別のサイトで使い回すことを防ぎやすくなります。
3.マルウェア・スパイウェアによる情報窃取
パソコンやスマートフォンにマルウェアが侵入し、ログイン情報などが盗まれるケースもあります。
マルウェアとは、利用者の端末に不正な動作をさせる悪意あるソフトウェアの総称です。
例えば、次のような経路で感染する可能性があります。
- 不審なメールの添付ファイルを開く
- 偽のソフトウェアをダウンロードする
- 不正な広告やWebサイトを経由する
- 出所が不明なアプリをインストールする
- 偽のアップデートを実行する
マルウェアの種類によっては、入力した文字情報やブラウザに保存された認証情報などを盗み取る機能を持つものがあります。
セキュリティソフトを導入していても、すべての脅威を検知できるわけではありません。
また、端末のOSやブラウザが古いままだと、既知の脆弱性を悪用されるリスクもあります。
対策:OSやブラウザ、アプリを常に最新の状態に保ち、信頼できるセキュリティソフトを利用しましょう。不審なファイルやアプリは開かないことも重要です。
4.メールアカウントの乗っ取り
証券口座だけでなく、登録しているメールアカウントが乗っ取られることにも注意が必要です。
証券会社からのログイン通知や認証メールを受信するメールアドレスが第三者に利用されると、不正アクセスに気付くのが遅れる可能性があります。
また、メールアカウントにアクセスされることで、パスワード再設定などの手続きが悪用される危険もあります。
例えば、証券口座とメールアカウントで同じパスワードを使用している場合、一方の情報が流出しただけでも、もう一方に不正アクセスされるリスクが高まります。
対策:証券口座とメールアカウントのパスワードを別々に設定し、メール側にも多要素認証を導入しましょう。登録メールアドレスのログイン履歴も定期的に確認してください。
5.パスワードの使い回し・推測
複数のサービスで同じパスワードを使用している場合、別のサービスから流出した情報を使って証券口座へのログインを試みられる可能性があります。
これをクレデンシャルスタッフィングと呼びます。
また、誕生日や電話番号、名前など、第三者が推測しやすい文字列をパスワードに使用することも危険です。
証券口座は資産に直結するサービスです。ほかのWebサービスよりも厳格に認証情報を管理する必要があります。
対策:証券口座専用の長く複雑なパスワードを使用し、パスワード管理ツールなどを活用して使い回しを避けましょう。
証券口座が乗っ取られると何をされる?
証券口座の乗っ取りで怖いのは、第三者がログインするだけではありません。
口座内の資産を勝手に売却したり、別の銘柄を大量に購入したりすることで、利用者に金銭的な損失が発生する可能性があります。
1.保有している株式や投資信託を勝手に売却される
第三者が口座にログインすると、本人が長期保有していた株式や投資信託を勝手に売却される可能性があります。
例えば、長年積み立ててきた投資信託や、NISA口座で保有している株式などが本人の意思に反して売却されるケースです。
長期投資をしている人にとっては、資産が売却されるだけでなく、投資計画そのものに影響する可能性があります。
2.不自然な銘柄を大量に購入される
証券口座の不正取引では、保有資産を売却した資金で、国内外の小型株などを大量に購入する手口が確認されています。
金融庁も、第三者が口座内の株式などを売却し、その売却代金で国内外の小型株などを買い付けるケースが多いと説明しています。
このような取引では、被害口座に不自然な銘柄が残ることがあります。
売却金額や買付金額の合計が、そのまま被害者の損失額になるわけではありません。実際の損失は、取引内容や保有資産の評価額などによって異なります。
3.本人の意図しない売買で損失が発生する
第三者が本人の資産を売却し、別の銘柄を購入した場合、購入した銘柄の価格が下落すれば評価損が発生します。
さらに、取引を繰り返されることで売買手数料などが発生する可能性もあります。
特に、短期間で大量の売買が行われた場合、本人が気付いたときには口座の状況が大きく変わっている可能性があります。
4.出金や登録情報の変更を試みられる
不正アクセスでは、取引だけでなく、登録情報や出金に関係する操作が試みられる可能性もあります。
証券会社によっては、出金先口座の変更や登録メールアドレスの変更などに追加認証を設けています。
ログインできる状態だからといって安心せず、登録情報や出金先口座に不審な変更がないかも確認しましょう。
楽天証券は乗っ取り問題にどう対応した?
2025年に証券口座の不正アクセス被害が相次いだことを受け、楽天証券もセキュリティ対策の強化を進めています。
ここでは、楽天証券が公表している対応を整理します。
楽天証券は自社システムからの情報漏えいを否定
楽天証券は、2025年7月25日に公表した不正アクセス被害に関する補償方針の中で、社内調査の結果として、自社システムからID・パスワード・取引暗証番号などの個人情報が漏えいした事実や、顧客資産が流出した事実はないと説明しました。
同社は、フィッシング詐欺やマルウェアなどの悪意ある第三者によってログイン情報が不正に取得され、悪用されたものと認識しているとしています。
これは楽天証券が公表した被害全体に関する説明です。テスタさん個人の口座で、どの手口が使われたかを特定した発表ではありません。
2025年に実施された主なセキュリティ強化策
| 対策 | 内容 |
|---|---|
| リスクベース認証 | 通常と異なるアクセスなどを検知した場合に追加認証を求める |
| 絵文字認証の必須化 | ログイン時の追加認証を強化 |
| 取引時のリスクベース認証 | 不審な取引操作を検知した場合に追加認証を行う |
| パスキー認証 | パスワードに依存しない認証方式を導入 |
| 注文通知 | 注文の受付・訂正・取消時にメールで通知 |
楽天証券の公式セキュリティ情報によると、2025年10月26日からパスキー認証(FIDO2)が導入されています。
また、同日から注文通知サービスも開始され、注文の受付・訂正・取消時にメールを受け取れるようになっています。
このように、2025年5月のテスタさんの被害公表時点と、現在の楽天証券のセキュリティ環境は異なります。
2026年現在、楽天証券で必ず確認したいセキュリティ設定
楽天証券を利用している人は、現在提供されているセキュリティ機能を確認しておきましょう。
1.パスキー認証を設定する
最初に確認したいのが、パスキー認証です。
パスキーとは、従来のパスワードに代わって、スマートフォンやパソコンなどの端末を使って本人確認を行う認証方式です。
指紋認証、顔認証、PINコードなど、端末に設定した本人確認方法を利用してログインできます。
従来のパスワード認証と異なり、Webサイトごとに対応する認証情報が管理されるため、偽サイトに誘導されても認証情報を使い回されにくいという特徴があります。
楽天証券では、パスキー認証を利用した場合、通常のログイン時に絵文字による追加認証は不要と案内しています。
設定方法の目安
- 楽天証券の公式サイトをブックマークから開く
- ログインする
- セキュリティ設定の画面を開く
- パスキー認証の設定項目を確認する
- 画面の案内に従って端末で本人確認を行う
- 設定後、次回ログイン時に利用できるか確認する
具体的な画面や設定条件は、利用端末や楽天証券の最新案内によって異なる場合があります。
2.ログイン通知メールを確認する
楽天証券では、口座へのログインがあった場合にメールで通知する機能を提供しています。
第三者がログインした場合でも、通知によって異常に気付ける可能性があります。
楽天証券では、2025年6月1日以降、ログイン通知メールが自動設定されると案内しています。
ただし、通知メールが届いたからといって、そのメール内のリンクをクリックしてはいけません。
不審な通知を受け取った場合は、ブックマークから公式サイトにアクセスし、ログイン履歴を確認しましょう。
3.注文通知を設定する
ログイン通知だけでなく、注文通知も確認しておきたい機能です。
楽天証券の注文通知は、注文の受付・訂正・取消時にメールで通知する機能です。
例えば、自分が取引していない時間帯に注文が行われた場合、メールによって異常に気付ける可能性があります。
注文通知は商品ごとに設定できるため、自分が利用している取引商品の設定状況を確認しましょう。
4.ログイン履歴を定期的に確認する
楽天証券では、ログイン後の画面から過去3か月分のログイン履歴を確認できます。
確認するポイントは次の通りです。
- 自分がログインしていない日時に記録がないか
- 普段利用しない時間帯のアクセスがないか
- 見覚えのない環境からのアクセスがないか
- 身に覚えのない注文や取消履歴がないか
不審な履歴があれば、すぐに楽天証券へ連絡しましょう。
5.出金時の多要素認証を確認する
ログインだけでなく、出金時の認証も重要です。
楽天証券では、出金時にSMSまたは音声通知によるワンタイムキーを入力する多要素認証を導入しています。
公式サイトでは、2025年10月26日以降、出金時の追加認証が必須と案内されています。
出金に関する設定や登録情報に不審な変更がないか、定期的に確認しておきましょう。
楽天証券以外の証券口座も危険?
今回のテスタさんの被害は楽天証券で発生しましたが、証券口座の乗っ取りは楽天証券だけの問題ではありません。
2025年には、複数の証券会社で不正アクセスや不正取引の被害が相次ぎました。
金融庁も、実在する証券会社の偽サイトなどで盗まれたログイン情報が悪用される被害について注意喚起しています。
つまり、楽天証券だけでなく、SBI証券、マネックス証券、松井証券など、インターネット取引を利用しているすべての投資家が対策を行う必要があります。
証券会社ごとに提供されている認証機能や通知機能は異なるため、利用中の証券会社の公式サイトで最新のセキュリティ設定を確認しましょう。
証券口座が乗っ取られた場合の対処方法
ここからは、実際に証券口座の不正アクセスや不正取引に気付いた場合の対処方法を紹介します。
重要なのは、被害を確認したら、原因調査よりも先に不正な操作を止めることです。
STEP1:証券会社に直ちに連絡する
身に覚えのない注文やログイン履歴を確認したら、まず証券会社の公式窓口に連絡しましょう。
不正アクセスの疑いがあることを伝え、口座の利用制限や取引停止など、必要な措置を相談します。
証券会社への連絡先は、メールやSMSに記載された電話番号ではなく、公式サイトに掲載されている窓口を利用してください。
ログインできない場合や電話がつながらない場合も、公式サイトの案内に従い、利用できる連絡手段を確認しましょう。
STEP2:ログインパスワードと取引暗証番号を変更する
不正アクセスが疑われる場合は、証券会社の案内に従ってログインパスワードや取引暗証番号を変更します。
ただし、すでに端末がマルウェアに感染している可能性がある場合、同じ端末からパスワードを変更すると、新しい情報まで盗まれる危険があります。
そのため、端末の安全性に不安がある場合は、別の安全な端末を使用するか、証券会社のサポートに相談してから手続きを進めましょう。
変更後のパスワードは、ほかのサービスで使用していないものにしてください。
STEP3:不審な注文・売買履歴を保存する
被害状況を確認するため、次の情報を保存しておきましょう。
- 身に覚えのない注文の履歴
- 売買が成立した取引の履歴
- 保有資産の変化
- ログイン履歴
- 不審なログイン通知メール
- 証券会社との問い合わせ記録
- 登録情報や出金先口座の変更履歴
可能であれば、画面のスクリーンショットやメールの原本も保存してください。
後から被害状況を説明したり、補償の相談をしたりする際に役立ちます。
STEP4:登録メールアドレスの安全性を確認する
証券口座だけでなく、登録しているメールアカウントも確認しましょう。
メールに身に覚えのないログイン履歴や転送設定がないかを確認します。
特に、第三者がメールを受信できる状態になっていると、証券会社からの通知やパスワード再設定の案内を見られてしまう可能性があります。
不審なアクセスがある場合は、メールサービスの公式手順に従ってパスワードを変更し、多要素認証を設定してください。
STEP5:パソコン・スマートフォンの安全性を確認する
不正アクセスの原因が端末にある可能性も考え、OSやブラウザのアップデート、セキュリティソフトによるスキャンを行いましょう。
不審なアプリや拡張機能がインストールされていないかも確認してください。
端末に不審な挙動がある場合は、むやみにログインやパスワード変更を繰り返さず、専門家や端末メーカーのサポートに相談することも検討しましょう。
STEP6:警察や関係機関への相談を検討する
金銭的な被害が発生した場合や、犯罪の疑いがある場合は、警察への相談も検討しましょう。
相談する際は、取引履歴、メール、証券会社とのやり取りなど、保存した証拠を整理しておくと説明しやすくなります。
また、消費者トラブルとして相談したい場合は、消費者ホットライン188などの相談窓口も利用できます。
楽天証券の乗っ取り被害は補償される?
証券口座の乗っ取りで損失が発生した場合、気になるのが補償の有無です。
楽天証券は2025年7月25日に、フィッシング詐欺などによる不正アクセス被害に関する補償方針を公表し、2026年2月18日に内容を更新しています。
楽天証券が公表している補償内容
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 被害額の補償 | 被害額の50%を基本として金銭で補償 |
| 売買手数料 | 不正取引によって発生した売買手数料を返金 |
| お見舞金 | 対象となる被害者に一律10,000円 |
ただし、被害額の50%がすべての被害者に無条件で支払われるという意味ではありません。
楽天証券は、不正アクセス時の利用状況などを個別に確認したうえで最終的な対応を決定すると説明しています。
補償対象となる被害額の考え方
楽天証券が公表している被害額の算定では、主に次の内容が対象として示されています。
- 不正アクセスによって買い付けられた有価証券を売却した場合の損失額
- 不正アクセスによって買い付けられた有価証券を保有し続けている場合の評価損失額
一方で、もともと本人が保有していた有価証券を不正に売却された場合、その売却自体による損失は、被害額の算定対象外とされています。
ただし、元々保有していた有価証券の不正売却のみの場合でも、お見舞金の対象になると案内されています。
実際の補償内容は個別の取引状況によって異なるため、被害に遭った場合は楽天証券に直接確認してください。
なお、楽天証券は個人のお客様が受け取った今回の補償金について、所得税は非課税として取り扱い、確定申告は不要と案内しています。
楽天証券公式:フィッシング詐欺等による不正アクセス被害に関する補償方針
証券口座の乗っ取りを防ぐためのチェックリスト
最後に、証券口座を安全に利用するために確認しておきたい項目をまとめました。
楽天証券だけでなく、ほかのネット証券を利用している人も確認しておきましょう。
ログイン・認証に関する対策
- パスキー認証を設定している
- パスキーが利用できない場合は追加認証を設定している
- 証券口座専用のパスワードを使用している
- ほかのサービスとパスワードを使い回していない
- メールアカウントにも多要素認証を設定している
メール・Webサイトに関する対策
- 証券会社の公式サイトをブックマークしている
- メールやSMSのリンクからログインしていない
- 不審なメールの添付ファイルを開いていない
- 送信元の表示だけで本物のメールだと判断していない
- メールアカウントのログイン履歴を確認している
取引・資産管理に関する対策
- ログイン通知を受け取れる状態にしている
- 注文通知を設定している
- ログイン履歴を定期的に確認している
- 保有資産や注文履歴を定期的に確認している
- 出金先口座や登録情報に不審な変更がないか確認している
端末に関する対策
- OSやブラウザを最新の状態にしている
- セキュリティソフトを最新の状態にしている
- 不審なアプリや拡張機能をインストールしていない
- 公共のパソコンなどから証券口座にログインしていない
- 端末の画面ロックや生体認証を設定している
よくある質問
Q.テスタさんの楽天証券口座はなぜ乗っ取られたのですか?
テスタさんが2025年5月1日に被害を公表した時点では、具体的な原因は特定されていませんでした。
本人は、二段階認証を利用し、セキュリティソフトによるスキャンも行っていたものの、情報流出の経路は分からないと説明しています。
楽天証券はその後、証券口座の不正アクセス被害全体について、フィッシング詐欺やマルウェアなどによってログイン情報が不正に取得されたものと認識していると公表しています。ただし、テスタさん個人の被害原因を特定した発表ではありません。
Q.二段階認証を設定していれば乗っ取りは防げますか?
二段階認証は不正ログインを防ぐための重要な対策ですが、すべての攻撃を防げるわけではありません。
フィッシング詐欺やリアルタイム型の攻撃、マルウェアなどによって認証情報が悪用される可能性があります。
楽天証券では、パスキー認証など、よりフィッシング耐性の高い認証方式も提供されています。利用可能な場合は設定を検討しましょう。
Q.楽天証券を利用しているだけで危険ですか?
楽天証券を利用しているだけで、必ず乗っ取り被害に遭うわけではありません。
ただし、証券口座への不正アクセスは複数の証券会社で発生しており、どの証券会社を利用していても対策が必要です。
公式サイトからのログイン、パスキー認証、注文通知、メールアカウントの保護などを組み合わせましょう。
Q.ログイン通知メールが届いたらどうすればよいですか?
自分でログインしていないのに通知が届いた場合は、不正アクセスの可能性を考えてください。
メール内のリンクはクリックせず、ブックマークから公式サイトにアクセスしてログイン履歴や注文履歴を確認します。
不審な履歴があれば、速やかに証券会社へ連絡し、取引制限やパスワード変更などの対応を行いましょう。
Q.証券口座の乗っ取り被害は補償されますか?
楽天証券は、フィッシング詐欺などによる不正アクセス被害について、被害額の50%を基本とする補償方針を公表しています。
加えて、不正取引による売買手数料の返金や、対象者への一律10,000円のお見舞金も案内されています。
ただし、補償内容は個別の利用状況や取引内容を確認したうえで決定されます。被害に遭った場合は、証券会社に直接相談してください。
まとめ:テスタさんの事例から学ぶ証券口座のセキュリティ対策
今回は、著名投資家のテスタさんが楽天証券の口座乗っ取り被害を公表した事例を中心に、不正アクセスの手口や対処方法を紹介しました。
今回の事例で特に重要なのは、投資経験が豊富で、二段階認証やセキュリティソフトを利用していた人でも、証券口座の不正アクセス被害に遭う可能性があるということです。
また、二段階認証を設定しているからといって、完全に安全だと考えるのは危険です。
証券口座を守るためには、認証方法だけでなく、メールアカウント、パソコンやスマートフォン、ログイン通知、注文履歴などを含めて対策する必要があります。
特に楽天証券を利用している人は、次の5つを優先的に確認しておきましょう。
- パスキー認証を設定する
- ログイン通知メールを確認する
- 注文通知を設定する
- ログイン履歴と取引履歴を定期的に確認する
- メールやSMSのリンクからログインしない
証券口座には、長年積み立ててきた資産や大切な老後資金が保管されている人も多いはずです。
万が一の被害を防ぐためにも、今一度、自分の証券口座のセキュリティ設定を見直してみてください。
参考リンク・公式情報
- 楽天証券:セキュリティ対策
- 楽天証券:不正アクセス被害に関する補償方針
- 金融庁:インターネット取引サービスへの不正アクセス・不正取引に関する注意喚起
- 日本証券業協会
- ASCII.jp:証券口座、乗っ取られました 著名投資家・テスタ氏も被害に
- 日刊スポーツ:テスタ氏の証券口座乗っ取り被害に関する報道
※本記事は公開情報および各社の公式発表をもとに作成しています。テスタさん個人の被害原因について、確認されていない情報は断定していません。セキュリティ機能や補償条件は変更される可能性があるため、最新情報は各公式サイトでご確認ください。

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