こんにちは。今回は、人生で一度は経験してみたかった「北朝鮮旅行」についてご紹介します。旅行期間は5泊7日。費用やスケジュール、現地で食べたグルメ、ちょっと変わったお土産、注意点、そしてちょっと怖かった体験まで、すべて赤裸々に記録しました。
なぜ北朝鮮へ行こうと思ったのか?
ニュースやドキュメンタリーでは常に謎めいた存在として語られる北朝鮮。メディアを通じて見聞きする限り、「ちょっと怖そう」と思っていたこの国。しかし逆に、だからこそ「自分の目で見て感じたい」という好奇心が勝ちました。
もちろん、個人旅行は禁止されているため、信頼できる旅行代理店(今回は中国の「高麗ツアー」経由)を通じてツアー参加という形で旅立つことに。

旅行概要と費用
日程:2024年9月10日~9月16日(5泊7日)
出発地:北京(日本から北京までの航空券は別途)
旅行代理店:Koryo Tours(高麗ツアー)
費用合計:約23万円(内訳は以下)
| ツアー代(宿泊、ガイド、食事込) | 約170,000円 |
| 北京までの往復航空券(成田⇄北京) | 約35,000円 |
| 北朝鮮ビザ申請料+書類手続き | 約10,000円 |
| お土産・現地での小遣い | 約15,000円 |
| 合計 | 230,000円 |
5泊7日の旅程(概要)
【1日目】北京出発~平壌到着
* 北京から平壌までエアコリョ航空にて2時間半のフライト。
* 平壌・順安国際空港到着後、ガイドと合流。空港でスマホを没収されることはなく、電波が通じないだけだった。
* その後、宿泊先の羊角島国際ホテルへ。夜はホテル内のレストランで北朝鮮ビールとともに夕食。
【2日目】平壌市内観光
* 万寿台の金日成・金正日銅像で献花(儀礼的だがツアーに必須)。
* 地下鉄乗車体験:意外に深く、装飾が豪華。
* 凱旋門、主体思想塔、戦争博物館など見学。
* 夕食は有名な平壌冷麺の専門店「玉流館」にて。
【3日目】開城&板門店(南北境界線)へ日帰り
* 南北軍事境界線のある板門店を訪問。
* 青い建物の中で「南朝鮮(韓国)」の境界線をまたぐ貴重な経験。
* 昼食は開城料理のコース(銅のお膳に盛られた伝統料理)を堪能。
* 夜は平壌に戻り、地元のカラオケバーへ。
【4日目】妙香山と普賢寺、マスゲーム観劇
* 平壌からバスで約2時間、自然豊かな妙香山へ。
* 仏教文化の象徴・普賢寺や国際親善展覧館を見学。ここには金日成が贈られた世界中の贈り物が展示されている。
* 五一競技場で開催された大マスゲームと芸術公演「輝く祖国」を観覧。数万人の子どもたちが背景で“人間ドット絵”のように巨大な絵をめくり続け、中央では体操やダンス、軍事パフォーマンスが繰り広げられる圧巻のパフォーマンスでした。
【5日目】自由時間&市場見学(特別許可)
* ツアー特例で、平壌の庶民向け市場(通仁市場)をガイド付きで訪問。
* 現地通貨ではなく「外貨専用通貨」で支払い。
* 地元のパン屋で買った甘いあずきパンが絶品。
* 夕方、ホテルでお別れパーティー。
【6日目】平壌出発~北京着
* 朝食後、空港へ移動。
* 平壌→北京へフライト。
* 北京到着後、ホテルで1泊(費用に含まず)。
【7日目】北京から日本へ帰国
北朝鮮で食べたおすすめグルメ
● 平壌冷麺(ピョンヤン・レーメン)
そば粉を使ったコシのある冷麺。酢やカラシで味を調整できるのが面白い。正直、冷麺は韓国よりもあっさりしていて、個人的にはこちらの方が好みだった。
● 朝鮮風焼肉(タッカルビに近い味)
鶏肉や牛肉を鉄板で焼き、にんにくや唐辛子を絡めて食べる。ビールとの相性も抜群。
● ビビンパ風混ぜご飯
具材は素朴だが、ごま油が効いていて香ばしい。
● 地元ビール「大同江(テドンガン)ビール」
旅行中、毎晩飲んでいた。黒ビールタイプとラガータイプがあり、どちらもレベルが高い。
ちょっと変わったお土産
● リーダーたちの肖像画入りバッジ
ガイドに頼むと非売品のようなグッズもこっそり入手可能。
● 朝鮮労働党の旗柄のライター
意外とクオリティが高い。喫煙者の友人に大ウケ。
● 北朝鮮製のCD・カセットテープ
プロパガンダソングが詰まっているが、話のネタになること間違いなし。
● 医薬品(漢方系)
現地で売られている風邪薬や健康補助薬など、パッケージが独特で興味深い。
旅行の注意事項
1. 写真撮影には細心の注意を
* 軍人、チェックポイント、建設現場は撮影禁止。
* ガイドが「OK」と言った時だけ撮る。
2. 自由行動は不可
* 常にガイド同行で、ホテル外を一人で歩くのは禁止。
3. スマホやGPSは使えない
* 通信遮断されるので、ネット接続は一切不可。海外SiMやポケットWi-Fiも無意味。
4. 現地通貨は使えない
* 外国人用の外貨払い市場か、ホテル内でのみ買い物可能。
5. 帰国時の荷物検査は厳格
* 政治関連書籍、地図、新聞などの持ち出しは禁止。
怖かった瞬間
一番緊張したのは、板門店での南北軍事境界線訪問。軍人の視線、銃を持った姿、そしてガイドのピリついた表情に圧倒された。また、帰国直前の空港で、カバンの中身をすべて開けられたときも、手が汗ばむほど怖かった。
また、ある夜ホテルの部屋で外を眺めていたら、突然電気が落ちて真っ暗に。10分ほどで復旧したが、異国の地での突然の停電は心細さを感じた。
まとめ:行ってよかったか?
正直、ストレスも緊張感もあった旅でした。しかし、未知の国に触れるという体験は、何ものにも代えがたい貴重な経験。私自身、「北朝鮮=怖い国」という一辺倒の印象が、少しずつ解像度を持った形へと変わっていきました。
文化も歴史も違うこの国を、頭ごなしに否定するのではなく、現地の人々の生活を自分の目で見て、感じて考えることの大切さを教えてくれた旅でした。
次はキューバやイランなど、同じように「ちょっと不思議な国」にも挑戦してみたいと思います。
読んでくださってありがとうございました!
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